古野孝行税理士事務所 > 記事一覧 > 相続した土地にも固定資産税はかかる! 税額の確認方法や課税されないケースを解説
相続財産の中でも比較的評価額が大きいものが土地です。土地を相続することになれば相続税が課税される基準を超えやすくなりますし、土地の維持費や管理の負担なども負うことになります。
そこでここでは、維持費のうち特に「固定資産税」に着目し、相続した土地に関して課税はされるのか、課税される場合税額はどのように把握すればいいのか、といったことを解説していきます。
両親などから土地を相続して当該土地の所有者となった場合、原則として固定資産税の負担をしなければなりません。
その年の1月1日時点で所有者となっていた者が固定資産税の負担をしなければならず、所有権を得たきっかけが相続であろうとそれで非課税となるわけではありません。
固定資産税は取得時に一度納めれば良いという類の税ではなく、継続的に納税をしなければならない税です。そのため土地を相続するには、固定資産税を払い続けることになるとの認識を持ったうえであることが望ましいでしょう。
あらゆる土地に固定資産税が課税されるわけではありません。基本的には、通常の宅地であれば固定資産税が課税されると考えておいた方が良いのですが、以下に該当する土地であれば納税の必要はなくなります。
4.に関しては相続で問題となることはありませんが、その他のケースであれば個人でも問題となる可能性があります。
例えば1.についてですが、個人所有でも土地の課税評価額が30万円未満であれば非課税になるとされています(建物も課税評価額が20万円未満なら非課税)。なお、同一市内に複数の土地を所有しており、各土地の課税評価額の合計が30万円以上になると免税はされません。
2.については、例えば墓地や保安林、社会福祉法人などが老人福祉施設として利用する土地などが挙げられます。
3.については、一定以上の幅員を有しており、公道から公道への通り抜けが可能、制限なく一般の方が通行できるなど条件を満たす道路が対象とされています。
固定資産税は、以下の計算式により算出されます。
税額 = 課税標準 × 税率(1.4%)
所得税のように自己申告で計算を行うわけではありません。市区町村が税額の計算を行い、その結果として納税額が納税義務者に通知されます。
計算の基準となっている「課税標準」は固定資産税評価額を基にしており、その固定資産税評価額については3年に1度見直すこととされています。そのためいったん通知された額で永続的に固定されるわけではなく税額は変動します。
固定資産税評価額は、固定資産税を把握するための基準にもなるものです。そこで納税額を知るためには固定資産税評価額を知ることが大切です。
以下の書類により確認が可能です。
土地を相続しただけでは、固定資産税の負担が続くことになってしまいます。
そこで対策として宅地としての利用が考えられます。単に有効活用というだけでなく、固定資産税の額を下げる効果があります。
固定資産税に関しては、特例として住宅用地の場合200㎡以下の部分は「課税標準×1/6」、200㎡超の部分は「課税標準×1/3」で計算できるとされています。
そのため土地を相続した場合、その土地に家を建てて自分が住む、あるいは賃貸に出すといった使い方をすれば固定資産税額を下げることが可能となります。
また、無理に宅地として利用しなくても、売却するという手段もあります。空き地のまま持ち続けるよりは経済的で、自身も納税の負担を負い続ける必要がなくなります。
税額や効果的な活用方法について詳しく知りたいという方は、税理士等の専門家へ相談されてみてはいかがでしょうか。