相続税申告の流れと期限
相続税申告をする際の流れ
相続税申告の一般的な流れは以下の通りです。相続税の申告の他にも行わなければならないことがあります。
①財産目録の作成と相続人の把握
相続が始まったら、まず被相続人にどのような財産があるのか、そして相続人は誰がいるのかということを明確にする必要があります。この2つが明確にならないと、遺産分割協議の際に正しい分割が出来なかったり、後で把握できていなかった相続人の存在が明らかになったりする場合があります。
遺産分割協議をスムーズに進めるためにも、まずはこの2つを明らかにしておきましょう。
②相続放棄をする場合には相続放棄の手続き
相続が開始してから3か月以内に、相続放棄をする相続人は相続放棄の手続きを行うことが必要になってきます。
相続放棄を行う際には、相続放棄後一切の相続にかかわれなくなります。相続放棄は家庭裁判所にて手続きを行います。
③準確定申告
相続が始まったら「準確定申告」を行う必要があります。準確定申告とは基本的に被相続人の亡くなった年の確定申告のことです。
準確定申告の期限は相続開始後4か月以内になります。
④遺産分割協議
準確定申告まで終わると、残りの半年の間で、相続人間での遺産分割協議を行います。被相続人が所有していた財産を、どのくらい誰が相続することになるのか協議します。遺言書がある場合には、遺言書に従って分割することが可能ですが、遺言書がない場合には、遺産分割協議が難航することも考えられます。遺産分割協議はなるべく早く開始できるようにしましょう。
⑤相続税の申告書の作成
遺産分割協議で、それぞれの財産の分割割合が決定したら、相続税の申告書の作成を行います。
遺産分割協議で決まった分割割合に応じて相続税を計算し、それぞれの相続人に課せられた相続税を支払います。
相続申告の期限
相続関係の手続きには期限があります。期限としては、
- 相続放棄の手続きは相続開始後3か月以内
- 準確定申告は相続開始後4か月以内
- 相続税の申告と納税は相続開始後10か月以内と決められています。
ここでいう「相続開始後」とは、「相続が発生したことを知った日の翌日」からの起算になります。
相続申告に必要な書類
相続が発生したら、相続税の申告までに多くの書類を集める必要があります。
不動産を所有している、有価証券を保有しているなど状況によっていろいろな書類が必要ですが、共通して必要な書類は次の4つです。
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺言書又は遺産分割協議書の写し
- 相続人全員の遺産分割協議書に押印した印鑑の印鑑証明書
戸籍謄本は被相続人が亡くなってから10日以上経過したものを取得する必要があります。相続人の把握のためにも必要になる被相続人の戸籍は、転籍状況によって取得に時間がかかる場合もありますので、早めに取得されることをお勧めいたします。
相続申告の課税対象となる財産とは
相続の際には、相続税の課税対象の財産、課税対象とならない財産を明確に区別しておくことが重要になります。
相続税の申告の際に課税対象となる財産は以下のようなものがあります。
①相続税の課税対象となる財産
相続税の課税対象となる財産は、被相続人が所有していた財産がすべて対象となります。具体的には次のようなものがあります。
- 預貯金
- 貸付金
- 有価証券
- 不動産
- 貴金属
- 著作権
この他にも相続開始前の3年以内に贈与によって取得した財産、相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた財産も対象になります。
②本人の財産ではないが課税対象となる財産(みなし相続財産)
2つ目に、本人の財産ではないが課税対象となるものがあります。具体的なものとしては、生命保険金や死亡退職金などがあげられます。
これらは被相続人がもともと所有していたものではなく、死亡により相続人に支給されるものですが、相続税の課税対象となります。
③相続税の課税対象とならない財産
被相続人の財産の中には課税対象とならないものもあります。具体的には以下のようなものがあげられます。
- 墓地、墓石、仏壇、仏具など
- 弔慰金や花輪代
- 生命保険金などの非課税の枠内の財産
- 交通事故等による損害賠償金
- 国や地方公共団体などに寄付した財産
これらは相続税の課税対象となりません。主に社会貢献や国民感情等を考慮して、非課税として認められています。
資格者紹介Staff
税理士古野孝行
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- 相続税申告
- 生前対策
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