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贈与契約書とは、贈与者(財産を与える人)と受贈者(受け取る人)が「無償で財産を贈る・受け取る」という合意内容を書面化した文書のことです。契約書は作らなくても契約は成立しますが、一般的にこれは作成すべきものとして考えられています。
これはなぜなのか、また作成するならどうすればいいのか、ここで贈与契約書について詳しく解説していきます。
贈与契約書は、ある人が無償で財産を他人に譲り渡す際に、その合意内容を文書化した契約書を指します。契約当事者双方の意思表示を記録し、法的効力を持つ証拠書類として機能します。
しかし贈与という行為は次のように規定されており、文書の作成を必須とはしていません。
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
ただ、記録が残っていないと、後日「言った・言わない」の争いに発展する危険性があるのです。そこで贈与契約書を作成して、贈与の事実、贈与される財産の詳細、贈与時期、当事者の意思などを客観的に示せるよう備えます。
贈与契約は書面がなくても成立しますが、書面化、つまり紙にまとめることで当事者一方からの契約解除を防ぐことができます。
書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
原則として契約締結後に一方が勝手に解除を行うことは認められませんが、贈与に関しては書面がないなら一方が解除できると定められています。そのため特に受贈者の立場としては、確実に財産を受け取りたいのであれば書面化により解除をできないようにしておく必要があるでしょう。
贈与契約書を作成するメリットを整理すると、次のようにまとめることができます。
それぞれの詳細は下記のとおりです。
上述のとおり、贈与契約書を作成することで贈与者による一方的な撤回を法的に防止できます。また、口頭での約束では「やっぱりやめた」という状況が発生しやすいものですが、契約書を作成するという過程を経ることで「きちんと約束を守らないといけない」という意識を持ちやすくなります。
その結果、受贈者は将来の計画を立てやすくなるでしょう。特に住宅購入資金や事業資金のように受贈者の人生設計に大きく関わる贈与であれば書面化が重要です。
贈与契約書は契約当事者間の問題のみならず、対外的なやり取りにおいても使われます。
たとえば不動産の贈与だと所有権移転登記が必要となりますが、法務局への申請時に贈与契約書を提出することで「確かに所有権の移転があった」という事実を示すことができます。銀行口座の名義変更や株式の譲渡手続きにおいても、贈与契約書があることで手続きを円滑に進められるようになるでしょう。
贈与契約書は、相続発生時の遺産分割協議においても役立ちます。
相続開始後、「これは私が生前に贈与でもらい受けていたものだ」「それはあなたの財産ではなく、遺産分割すべき相続財産だ」などと財産の帰属先をめぐって争いが起こる危険性もありますが、贈与契約書が適切に作成されていればこうした揉め事も解決しやすくなります。
贈与契約書は、贈与税の申告内容が正しいことを示す一資料としても使えます。
また、相続税対策として取り組んだ生前贈与の場合、贈与財産が「名義預金」として指摘されるリスクも契約書により軽減できます。名義預金とは、名義上は家族名義の預金でも、実際は被相続人が管理していた預金のことです。すでに贈与をしていたつもりでも、名義預金と評価されることで相続税の課税対象となってしまうのです。重要なのは処分権限の実態が受贈者にあるかどうかですが、贈与契約書の存在は所有権移転に説得力を持たせる要素として役立ちます。
贈与契約書作成にかかる一連の作業内容をまとめます。要点を押さえて上記メリットが得られるように作成作業を進めていきましょう。
まずは贈与者と受贈者が贈与内容について話し合いましょう。この段階で、贈与する財産の種類、金額、贈与時期、引渡方法などを検討していきます。
たとえば現金を贈与する場合なら、具体的な金額を1円単位で確定し、振込先の口座情報も明確にします。不動産贈与の場合なら、登記事項証明書を取得して、地番、地積、建物の構造・床面積なども正確に把握しておくべきです。
また、協議の際は贈与税の基礎控除額やその他非課税特例なども考慮し、税負担を最小限に抑える方法も検討しましょう。贈与税は相続税と比べても税率が高く、割合大きな負担がかかりやすいです。贈与財産の価額の半分ほどを納付しないといけなくなるケースもあるため、税理士にも相談しながら贈与内容を決定することをおすすめします。
当事者間で協議した内容を取りまとめて、一つひとつの内容に同意できること・双方の意思が一致していることを確認していきます。贈与の条件や制約、負担付贈与に該当しないか、といった点は特に留意すべきです。
合意内容に曖昧な部分があるとトラブルの原因となるため、すべての条件を明確にし、少しでも疑問があるならその時点で解決しておきましょう。
合意した内容を贈与契約書として文書化します。契約書の書式に法的な決まりはありませんが、以下の事項は明記すべきです。
特に財産の記載については正確性に注意し、「約100万円」「おおよそ50㎡」のような表現は避け、「1,000,000円」「50.13㎡」などと具体的に記載しましょう。
契約書が完成したら、贈与者・受贈者双方が署名捺印を行います。署名は本人が自筆で行い、捺印には実印を使用することが推奨されます。実印を使用する場合は、印鑑登録証明書を添付しておくと契約書の証拠力がさらに高まります。
そして契約書は当事者分の部数を作成。その後紛失などに気をつけながら厳重に保管します。贈与が履行されてからも、税務調査や相続手続きに備えて長期間保管しておきましょう。
近年、電子契約書が活用されるケースも増えています。電子契約書のメリットには「印紙税が不要になること」「遠隔地でも契約締結が可能」「郵送の時間や費用がかからない」といった点が挙げられます。
※書面(紙)で作成した契約書を後日スキャンして電子化することも可能。
電子契約書には署名や捺印ができませんが、電子署名法に基づいて電子署名を施せば署名捺印と同等の効力が得られます。証拠力も担保されるため「電子契約書だから危険」といったこともありません。
ただし、電子署名を付するには一定の技術的要件を満たさなくてはならないため、環境が整っていない場合には利用に手間がかかるかもしれません。電子契約サービスをご自身で利用するか、専門家に依頼して作成をサポートしてもらいましょう。
税理士古野孝行
一般家庭から億を超える相続まで、広く対応が可能です。複雑な相続や、難しい土地の評価なども、安心してお任せください。
当事務所の税理士は、独立前から一貫して相続案件に注力しており、一般家庭から20億円規模の相続まで、累計で120件超の対応実績があります。専門性の高さと土地の評価には特に自信があり、その実力は他の専門家から相談を受けるほどです。若手税理士ですので、相続対策や相続発生時のみならず、その次の代までサポートできるのも強みの一つです。お困りの際はお気軽にご相談ください。
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