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家族経営の会社や中小企業の株式は、多くが「非上場株式」です。この非上場株式も相続の対象であると同時に相続税の課税対象でもあります。
ここで問題となるのが評価方法であり、上場株式のように市場価格がないため特別な計算を行わなければなりません。具体的にどのような方法で評価・計算を行うのかここで確認していきましょう。
なお、評価を誤ると税額に大きな影響が出る可能性がありますので、少しでも不明点のある方は税理士に依頼することをおすすめします。
株式の種類によって評価の仕方は大きく異なります。
まず、比較として上場株式から確認してみましょう。
上場株式は証券取引所で毎日売買が行われているため、市場価格が存在します。相続税の計算上も、以下4つの価格のうちもっとも低い金額を採用すれば良いのです。
このように比較的シンプルに評価額を決定できますが、非上場株式の場合はそういうわけにもいきません。市場での取引価格がないため、税法で定められた特別な方法に従い株式の価値を算出しなければなりません。
※評価方法に決まりがあるのは納税者間の公平を図る必要があるためであり、相続人間の問題でしかない遺産分割時には好きな方法で評価しても良い。ただし、相続人同士で価額をめぐって問題が生じる可能性はあるため、客観性のある評価方法を採用することが望ましい。
非上場株式を評価する方法は複数ありますので、まずは「どの評価方式を使うか」を決めることから取り組みましょう。
相続した方の立場や保有する株式の性質によって、次のような形で定まります。
判断基準 | 「原則的評価方式」を採用 | 「配当還元方式」を採用 |
|---|---|---|
議決権割合 | 同族株主として30%以上のグループに属する | 議決権割合が低い少数株主 |
株式保有の目的 | 会社経営への参画が主目的 | 配当収入の受け取りが主目的 |
会社との関係 | 役員や主要株主としての立場 | 投資家としての立場 |
評価の考え方 | 会社への支配力を反映した評価 | 配当利回りに基づく簡易的評価 |
同族株主かどうかの判定は、相続した本人だけでなく、配偶者や親族、さらには親族が支配する会社なども含めて行われます。親族などのグループ全体で議決権の30%以上を持つ場合に同族株主として扱われ、「原則的評価方式」が採用されます。
ただし、同族株主に該当したとしても、相続した本人の議決権割合が5%未満で、かつ会社の役員でもない場合などには「配当還元方式」が採用されることもあります。
なお、評価方法・計算が比較的簡単なのは配当還元方式の方です。
原則的評価方式が適用されるとき、会社の規模によってさらに評価方式が分かれます。
※会社規模は、従業員数・売上高・総資産価額などを総合的に判断して決定される。
会社規模 | 主な評価方法 | 計算の特徴 |
|---|---|---|
大会社 | 類似業種比準価額 | 同業種の上場企業と比較して評価する方法 |
中会社 | 類似業種比準価額+純資産価額 | 2つの計算方法を会社規模に応じて組み合わせて計算する方法 |
小会社 | 純資産価額 | 会社が解散した場合の財産価値を基準に評価する方法 |
大会社や中会社で使われる「類似業種比準価額」を採用する場合は、同じような業種の上場企業の株価を参考にして評価します。そこで①配当金額、②利益金額、③純資産価額の3つの要素について、類似する上場企業と比較して株価を算定していきます。
「純資産価額」は、会社を解散したと仮定した場合に、株主に分配される清算価値を基準にします。会社が保有する土地や建物、設備などの資産を相続税評価額で評価し直し、負債分を控除した純資産額を発行済株式数で割って、1株あたりの価額を算出するのです。
議決権割合が低く、主に配当収入を目的として株式を保有していると判断される場合には、「配当還元方式」による評価が行われます。
この方式はシンプルで、過去1年間に実際に受け取った配当金額を10%の利率で割り戻すことで株式の価額を求めます。
たとえば、1株あたり年間500円の配当を受け取っているのであれば、「500円÷10%=5,000円」が1株の評価額となります。
この方式は計算が簡単で、配当収入を主目的とする少数株主の実情に合った評価方法といえるでしょう。ただし、配当をまったく行っていない会社の場合だと、一定の最低金額による評価が行われます。
非上場株式について、正確な計算と適切な判定を行うため、以下の点には特に注意しましょう。
特に留意したいのは、評価方式の判定を間違えないことです。最初の判定を誤ると、その後の計算方法が正しくても、相続税評価額は正しく算出されません。
そこで、以下の要素に着目して見逃しのないように注意しましょう。
原則的評価方式を適用するときは特に、正確な財務データの把握が欠かせません。特に以下の点に注意しましょう。
さらに、非上場株式に関しては事業承継税制などの特例措置があり、税負担の軽減が可能になるケースもあります。こうした制度の適用に関しても確認しながら慎重に評価・計算を進めましょう。
税理士古野孝行
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当事務所の税理士は、独立前から一貫して相続案件に注力しており、一般家庭から20億円規模の相続まで、累計で120件超の対応実績があります。専門性の高さと土地の評価には特に自信があり、その実力は他の専門家から相談を受けるほどです。若手税理士ですので、相続対策や相続発生時のみならず、その次の代までサポートできるのも強みの一つです。お困りの際はお気軽にご相談ください。
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税理士(東京税理士会 登録番号111177) 宅地建物取引士 日本商工会議所主催 簿記検定1級 財務金融アドバイザー (登録番号tky111177000) |
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